「経営者が仕事を手放す」から、会社は次へ進める。ログラス・布川友也氏が考える経営

株式会社ログラス 代表取締役 執行役員CEO
布川 友也氏
会社が成長するほど、経営者が担う仕事は増えていきます。
営業、採用、資金調達、組織づくり、事業戦略。創業当初は自ら動くことが会社を前へ進める力になりますが、組織が大きくなっても同じやり方を続けていては、経営者自身が会社の成長を止めてしまうこともあります。
経営管理クラウドなどを展開する株式会社ログラスを創業した布川友也氏は、会社の成長に合わせて、自らが担っていた仕事を少しずつ他のメンバーへ移してきました。
そこにあるのは、単に仕事を減らすためではなく、経営者自身が次に向き合うべき仕事へ進むための権限移譲という考え方です。
本記事では、公式サイトや本人の発信、各種公開情報をもとに、布川氏のこれまでと経営に対する考え方を紹介します。

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この記事でわかること
- 布川友也氏がログラスを創業するまで
- 創業期に布川氏が担っていた仕事
- 会社の成長に合わせて権限移譲を進める理由
- 布川氏が考える経営者の役割
01 BACKGROUND
投資銀行から、経営の現場へ
布川氏は慶應義塾大学経済学部を卒業後、2016年にSMBC日興証券の投資銀行部門へ入社しました。
M&AやIPOのアドバイザリー業務などに携わった後、GameWithの経営戦略室へ。IRや投資、経営管理など、企業経営に近い仕事を経験します。
そこで布川氏が向き合ったのが、予算や実績などの経営データを管理する業務でした。
企業にとって重要な経営管理でありながら、実際の現場ではデータの収集やExcelの集計などに多くの時間が使われている。
自身が経営管理を担当するなかで感じたこうした課題が、後の事業へとつながっていきます。
2019年、布川氏は株式会社ログラスを創業しました。
02 STARTUP
創業期は、自分で何でもやる
創業したばかりの会社では、役割を細かく分けられるほど人はいません。
ログラスも例外ではありませんでした。
創業初期、布川氏は営業や資金調達、PR、バックオフィスなど、幅広い仕事を担っていました。
会社を前へ進めるために、必要なことを自分でやる。
創業期には、それが最も速い方法だったのでしょう。
しかし、会社が成長して人数が増え、事業が広がっていけば、経営者一人がすべてを見続けることは難しくなります。
そこで必要になるのが、自分が持っている仕事や意思決定を、他のメンバーへ渡していくことでした。
03 DELEGATION
「自分でやる」から「任せる」へ
ログラスでは、会社の成長に合わせて段階的に権限移譲が進められてきました。
バックオフィスをはじめ、採用、プロダクト、ファイナンスなど、それまで布川氏自身が深く関わっていた領域を少しずつ他のメンバーへ移していきます。
2024年には本部制へ移行し、既存事業の執行についても各本部へ権限を移す体制がつくられました。
これは単に「CEOの仕事を減らす」という話ではありません。
今まで自分がやっていた仕事を任せることで、経営者は新規事業や会社全体の未来など、次に取り組むべきテーマへ時間を使えるようになります。
会社の成長に合わせて、経営者自身の役割も変えていく。
布川氏の経営には、そんな考え方が表れています。
KEY POINT
今の仕事を手放すから、
経営者は次の仕事へ進める。
会社が成長しても、経営者がすべての意思決定を抱えていては、組織の成長には限界があります。自分が担ってきた仕事を他のメンバーへ渡し、次に向き合うべき課題へ進むことも、経営者の重要な役割です。
04 MANAGEMENT
任せることは、経営人材を増やすこと
権限を渡すことには、もう一つ意味があります。
それは、会社の中に経営を担える人を増やしていくことです。
ログラスでは、事業執行役員を内部から登用するなど、社内のメンバーがより大きな責任を持つ体制づくりを進めています。
布川氏は新卒採用や育成についても発信しており、将来的に経営を担える人材を社内から生み出していくことを重視しています。
経営者がすべてを決めるのではなく、それぞれの領域で意思決定できる人を増やしていく。
権限移譲は、経営者が仕事を手放すだけではなく、次の経営者やリーダーを育てることにもつながっています。
05 FUTURE
経営者の役割も、会社と一緒に変わっていく
創業当初のログラスは、CEOを中心に一つの事業を成長させる会社でした。
しかし、事業が増え、組織が大きくなるにつれて、その形も変わってきています。
既存事業の運営を各リーダーへ任せながら、新しい事業や次の成長機会をつくっていく。
会社が変われば、経営者に求められる仕事も変わります。
創業期に必要だった仕事を、ずっと自分の仕事にし続けない。
自分にしかできなかった仕事を、いつか誰かに任せられる仕事へ変えていく。
そして、自分はその先の課題へ向かう。
布川氏の経営から見えてくるのは、会社を成長させるだけでなく、経営者自身も役割を変え続けるという経営のあり方です。
PROFILE
布川 友也
TOMOYA FUKAWA
株式会社ログラス
代表取締役 執行役員CEO
慶應義塾大学経済学部卒業後、2016年にSMBC日興証券の投資銀行部門へ入社。M&AやIPOアドバイザリー業務などに携わる。その後、GameWithの経営戦略室でIR・投資・経営管理などを担当。2019年に株式会社ログラスを創業し、代表取締役に就任。経営管理領域を中心とした事業を展開している。
まとめ
布川友也氏の経営から見えてくるのは、会社の成長に合わせて「自分の仕事」を変えていく姿勢です。
創業期には、自ら営業や資金調達など幅広い仕事を担う。一方、組織が成長すれば、それまで自分が担っていた仕事や意思決定を他のメンバーへ渡していく。
そして経営者自身は、新しい事業や会社の未来など、次の課題へ向かいます。
すべてを自分で抱えることが、経営者の役割とは限りません。
仕事を任せられる組織をつくり、自分自身も次の役割へ進んでいく。
その繰り返しが、会社をさらに大きくしていく力になるのかもしれません。