会社を11年続けて、もう一度「創業」する。amoibe・新條隼人氏が再挑戦を選んだ理由

株式会社amoibe 代表取締役CEO
新條 隼人氏
株式会社amoibeを率いる新條隼人氏。2014年に会社を立ち上げ、さまざまな人の人生を紹介するWebメディア「another life.」などの事業を展開してきました。
しかし、その歩みは順調なものばかりではありません。事業の停滞や新規プロダクトの失敗、仲間との別れなどを経験しながら、会社を続けることそのものではなく、「もう一度、本気で挑戦できる事業をつくる」という選択へたどり着きます。
本記事では、公式サイトや公開されているインタビューなど各種公開情報をもとに、新條氏が起業した背景から、一度目の創業で直面した壁、そして「再創業」を選んだ理由や経営に対する考え方を紹介します。

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この記事でわかること
- 新條隼人氏が起業を選んだ背景
- 「another life.」から始まった最初の挑戦
- 事業の苦戦を経て「再創業」を決断した理由
- 一度目の創業経験から変化した経営への向き合い方
01 BACKGROUND
起業を目指し、スタートアップの世界へ
新條氏は一橋大学を卒業後、決済領域のスタートアップに入社しました。
学生時代から起業を意識しており、将来自分で会社をつくるために、成長途中の企業で経験を積む道を選んだといいます。
入社後は法人営業だけでなく、採用や育成、マネジメントなどにも携わりました。会社が成長していく過程を内側から経験したことは、その後、自ら会社を経営するうえでの土台の一つになっていきます。
そして2014年、新條氏は株式会社ドットライフを創業しました。
02 FIRST CHALLENGE
「another life.」から始まった最初の挑戦
創業後に立ち上げた代表的な事業が、さまざまな人の人生を紹介するWebメディア「another life.」です。
一人ひとりの生き方や価値観に焦点を当て、その人がどのような選択をしてきたのかを伝えるメディアとして、多くの人物のストーリーを発信してきました。
その後はメディア運営だけでなく、企業向けのコンテンツ制作などにも事業を広げていきます。
会社として事業を続けていく一方、新條氏の中には次第に「このままでいいのか」という思いが生まれていきました。
事業を継続できていることと、自分たちが目指していた成長を実現できていることは、必ずしも同じではなかったからです。
03 STRUGGLE
会社は続いている。それでも、思い描いた場所には届かなかった
新條氏が公開している振り返りでは、経営の厳しい時期についても率直に語られています。
売上が大きく落ち込んだ時期があり、新たに投入したプロダクトも思うような結果につながりませんでした。
さらに、メンバーの退職や共同創業者の退任など、組織にも変化が訪れます。
会社そのものは存続している。それでも、経営者として思い描いていた未来には近づけていない。
そうした状況の中で、新條氏は自分自身の経営力と向き合うことになります。
そして会社が小さな状態になったとき、これまで続けてきた事業を守ることだけではなく、**「今、改めて起業するとしたら、この事業をもう一度選ぶのか」**という視点から、自分たちの事業を考え直していきました。
KEY POINT
会社を続けることではなく、
もう一度「本当に挑戦したい事業」を選び直した。
これまでの事業を守ることだけにこだわらず、「今、改めて起業するとしたら何をするのか」という視点から事業を見直した新條氏。これまでの経験を持ったまま、もう一度スタート地点に立つ「再創業」を選びました。
04 RESTART
会社を残したまま「再創業」する
新條氏は、これまで積み上げてきたものをそのまま守るのではなく、事業そのものを大きく組み替える道を選びます。
既存事業の整理や事業承継を進め、2023年から新たな事業領域で再スタートしました。
会社を一度畳んで新会社を設立したわけではありません。
同じ会社を残しながら、事業や組織、経営のあり方を改めてつくり直す。その選択を新條氏は「再創業」と表現しています。
現在展開しているのが、法人向けエンジニア育成サービス「amoibe OJT」です。
そして2025年には、株式会社ドットライフから株式会社amoibeへ社名を変更。会社としても新しいフェーズへ移行しました。
長く会社を続けてきたからこそ、過去の延長線上だけで考えず、もう一度スタート地点に立つ。
新條氏にとっての再創業は、単なる事業転換ではなく、経営者としてもう一度挑戦するための選択だったといえます。
05 LEADERSHIP
一度目の創業経験が、二度目の経営を変えた
再創業後、新條氏の経営に対する向き合い方にも変化が表れています。
一度目の創業では、自分自身が前に出て会社を引っ張る場面も多くありました。しかし、長い経営経験や事業の苦戦を経たことで、自分一人ですべてを抱えるのではなく、組織として成果を出すことをより意識するようになりました。
また、経営者である自分自身を客観的に見ることも大切にしています。
目の前の事業に入り込みながらも、「自分はいま何を考えているのか」「経営者として適切な判断ができているのか」を俯瞰して考える。
一度目の創業で得た成功だけではなく、うまくいかなかった経験も含めて次の経営に生かしていることが、新條氏の再挑戦の特徴です。
会社を長く続けたあとに、もう一度創業者のように挑戦する。
それは過去をリセットすることではなく、これまでの経験を持ったまま、もう一度ゼロから考えることなのかもしれません。
PROFILE
新條 隼人
HAYATO SHINJO
株式会社amoibe
代表取締役CEO
一橋大学卒業後、決済領域のスタートアップで法人営業や採用、育成・マネジメントなどを経験。2014年に株式会社ドットライフを創業し、Webメディア「another life.」などを展開する。
その後、既存事業の整理・事業承継などを経て、2023年から新たな事業領域で「再創業」。現在は法人向けエンジニア育成サービス「amoibe OJT」を展開する。2025年、株式会社ドットライフから株式会社amoibeへ社名変更。
まとめ
新條隼人氏の歩みで印象的なのは、会社を続けること自体をゴールにしなかったことです。
2014年の創業から事業を続ける中で、思うように成長できない時期や、新規事業の失敗、組織の変化などを経験しました。
それでも、過去の事業に固執するのではなく、「今からもう一度起業するとしたら何をするのか」という視点から事業を見直し、再創業を選択しています。
一度会社をつくった経験があるからこそ、二度目は何を変えるのか。
新條氏の再挑戦からは、事業だけでなく、経営者自身も変わり続ける必要があるという考え方が見えてきます。