情報を隠さない組織は、自ら動き出す。Hubble・早川晋平氏が考える「自律する会社」

株式会社Hubble Co-Founder & CEO
早川 晋平氏
企業が成長し、組織が大きくなっていくほど、経営者一人がすべてを把握し、判断することは難しくなります。
では、メンバー一人ひとりが自ら考え、判断し、動ける組織をつくるためには何が必要なのでしょうか。
契約業務・管理クラウドサービス「Hubble」を展開する株式会社Hubbleで、Co-Founder & CEOを務める早川晋平氏。
早川氏が組織づくりで重視しているものの一つが、情報の透明性です。
情報を経営陣だけに閉じるのではなく、会社の状況をメンバーにも共有する。そのうえで、一人ひとりが自分で考えられる環境をつくっていく。
その考え方から見えてくるのは、「管理することで動かす」のとは異なる経営のあり方です。
本記事では、公式サイトや各種公開情報をもとに、早川氏の人物像と、組織・意思決定・AI時代の経営に対する考え方を紹介します。

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この記事でわかること
- 早川晋平氏がHubbleを経営するうえで大切にしている考え方
- 「情報の透明性」を重視する理由
- メンバーが自律して動く組織をどう考えているのか
- AIと人間、それぞれの役割についての考え方
01 PHILOSOPHY
自律するためには、まず「情報」が必要になる
Hubbleの組織づくりを考えるうえで、一つのキーワードとなるのが情報の透明性です。
組織の中で情報が限られた人だけに集まっていると、メンバーは十分な背景を知らないまま判断しなければなりません。
反対に、会社がどこへ向かっているのか、なぜその判断をしたのかといった情報が共有されていれば、一人ひとりが自分の仕事と会社全体を結びつけて考えやすくなります。
Hubbleでは、経営会議の議事録や事業の数字など、経営に関わる情報も可能な限りオープンにしてきました。
早川氏は、こうした透明性がメンバーの「自律」につながると考えています。
情報を渡さずに「自分で考えてほしい」と求めるのではない。
自分で考えられるだけの情報を共有したうえで、判断を任せていく。
そこに、Hubbleらしい組織づくりの一端が見えてきます。
02 ORGANIZATION
「管理する」のではなく、自分で決められる組織へ
情報をオープンにすることは、それだけで組織を強くするわけではありません。
大切なのは、共有された情報をもとに、一人ひとりが自分で考えられることです。
Hubbleでは、組織が成長するなかでも、メンバーが自律的に働ける状態を大切にしてきました。
その背景には、会社と個人を必要以上に同一化しないという考え方もあります。
会社がすべてになってしまうのではなく、それぞれが自分自身の人生や価値観を持つ。そのうえで、Hubbleで働く時間に高い熱量を注ぐ。
同社では、こうした考え方を「心のデザイン」という言葉でも表現しています。
会社が社員を一方的に動かすのではなく、一人ひとりが自分自身を理解し、自分で仕事への向き合い方を選択する。
早川氏が目指しているのは、ルールによって細かく管理された組織ではなく、それぞれが判断できる強さを持った組織だといえます。
03 LEADERSHIP
経営者が答えを持つのではなく、「良い意思決定」を積み重ねる
会社が大きくなるにつれて、経営者に求められる役割も変わっていきます。
早川氏が近年の経営で重視しているのが、意思決定の質です。
Hubbleは2026年、社外取締役や社外監査役を迎え、経営体制を強化しました。
ここで興味深いのは、同社がガバナンスを単なる「統制」として捉えていないことです。
異なる経験や専門性を持つ人の視点を経営に取り入れながら、より速く、より良い判断ができる状態をつくる。
早川氏自身も、多様な視点から本質を見極め、質の高い意思決定を積み重ねていくことの重要性を示しています。
経営者一人の正解を組織に広げるのではなく、異なる視点を取り込みながら、より良い答えを探していく。
組織が成長したからこそ、経営そのもののあり方も変えていく姿勢がうかがえます。
KEY POINT
人を動かすために情報を管理するのではなく、
人が自ら動けるように情報を開いていく。
早川氏の組織づくりから見えてくるのは、自律を「本人の意識」だけに任せない姿勢です。判断するための情報を共有し、それぞれが考えられる環境をつくることが、自ら動く組織につながっています。
04 TECHNOLOGY
AIが進化しても、最後に「決める」のは人
Hubbleが向き合っている契約業務の世界にも、生成AIの波が急速に広がっています。
しかし、早川氏はAIを単純に「人間の代わり」として捉えているわけではありません。
Hubbleでは、AIを単なる効率化ツールではなく、業務そのものを再設計するパートナーとして位置づけています。
AIに任せられる作業は任せる。
その一方で、何を選び、どう判断するのかという部分には、人間の意思が残ります。
2026年にHubbleが発信した対談でも、効率化が進むからこそ、人と人が納得するまで言葉を交わすプロセスの重要性について議論されています。
テクノロジーによって人間を不要にするのではなく、テクノロジーによって、人間が本来向き合うべき仕事に集中できる状態をつくる。
この考え方は、Hubbleというプロダクトだけでなく、早川氏の経営にも通じています。
05 FUTURE
「共感」から、その会社にとっての最適解を探す
2026年、Hubbleは新たに「共感から、最適解へ。」というタグラインを掲げました。Hubble |
ここにも、早川氏たちが大切にしてきた姿勢が表れています。
テクノロジーが進化すれば、できることは増えていきます。
しかし、企業が抱えている課題や働く人の状況は、それぞれ異なります。
だからこそ、最初から一つの正解を当てはめるのではなく、相手の困りごとに向き合い、理解することから始める。
そのうえで、人とテクノロジーの力を組み合わせながら、その人、その会社にとっての最適解を探していく。
会計事務所で実際の業務の非効率さを目にしたことから始まった早川氏のキャリアは、現在も「現場にある手触りのある課題をどう解決するか」という問いにつながっています。
PROFILE
早川 晋平
SHIMPEI HAYAKAWA
株式会社Hubble
Co-Founder & CEO
関西学院大学卒業後、会計事務所に入所。企業に残る非効率な業務オペレーションを目の当たりにしたことをきっかけに、独学でプログラミングを学び、2016年に株式会社Hubbleを共同創業。CEOとして経営を担いながら、プロダクト開発にも携わっている。
まとめ
早川晋平氏の経営に対する考え方から見えてくるのは、一人ひとりが自分で考え、判断できる組織をつくろうとする姿勢です。
情報をできる限りオープンにし、メンバーが会社の状況を理解したうえで行動できる環境をつくる。経営者だけが答えを持つのではなく、異なる視点を取り入れながら、より良い意思決定を積み重ねていく。
そしてAIをはじめとするテクノロジーについても、単に人の仕事を置き換えるものではなく、人が本来向き合うべき仕事に集中するための手段として捉えています。
組織が成長しても、細かな管理によって人を動かすのではなく、自ら考えて動ける環境をつくる。
その姿勢が、Hubbleという会社の組織づくりや、早川氏の経営のあり方につながっているのではないでしょうか。